【ご報告】2024年10月26日「東北臨床宗教師会主催 つらさや悲しさを抱える人々と生きる〜医療・福祉現場×宗教者の可能性を考える〜」開催しました。

研修会報告

東北臨床宗教師会 令和6年度定例総会 実行委員長
小向 善幸

2024年10月26日、青森県むつ市プラザホテルむつに於いて、東北臨床宗教師会主催「つらさや悲しさを抱える人々と生きる〜医療・福祉現場×宗教者の可能性を考える」をテーマに研修会を開催致しました。

研修会には東北各地から多勢の臨床宗教師と、テーマに関心のある青森県内の医療関係者や福祉関係者が集まり、活動発表やグループ対話を通して、医療・福祉と宗教者との協働の可能性について有意義な意見交換が行われました。

研修会は2コマ用意され、1コマ目では臨床宗教師についての基礎知識や、医療・福祉の立場で臨床宗教師的なケア(スピリチュアルケア)を行っている2名の方から、臨床宗教師のメリットやデメリット、なぜそのような活動を志したのかなど、医療・福祉の立場だからこそ語ることができる活動発表がなされました。

2コマ目では、臨床宗教師として医療現場で活動されている方々の発表や、自殺相談センターで活動されている方の発表がなされ、臨床宗教師が実際にどのような現場でどのような活動をされているのかなど、具体的な内容に参加された県内の医療・福祉関係者は真剣な表情で受講されていました。

その後、5つのグループに分かれ、活動発表を受けてどんなことを感じたか、など臨床宗教師が各グループのファシリテーターとなって、活発な意見交換が行われました。お互いに初対面同士ということもあり、グループ対話の序盤は遠慮がちな雰囲気もありましたが、次第に肩の力も抜け、それぞれの現場で抱えておられる課題や悩みなどをお話しされる方もおられ、その声に熱心に耳を傾けている臨床宗教師の姿もありました。

今回の研修会のメインテーマである、医療・福祉と宗教者との協働の可能性についての意見交換では、さらに熱の入った活発なグループ対話となり、研修会終了後に名刺交換をされる姿が多く見られました。

今回の参加者の中には、臨床宗教師という言葉を今回の研修会のチラシを見て初めて知ったという方もおられました。にもかかわらず得体の知れない研修会に参加してくださったことはこの上ない喜びであります。臨床宗教師はまだまだ発展途上の存在であり、青森県内ではその知名度はさらに低く、それはひとえに我々の力不足であります。

その中で、今回このような貴重な場を青森県内で開催することができたこと、そして多くの医療・福祉関係者にご参加いただけたことは、我々にとってとても心強いことであり、新たな一歩を踏み出すための大きな大きなきっかけとなりました。ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。この場を借りて篤く御礼申し上げます。

現在、青森県内には4名の臨床宗教師が在籍しております。今回の研修会をきっかけとして臨床宗教師を知って下さった方、興味を持って下さった方々と今後も末長く協働の可能性を模索し、その輪を少しでも広げていくために、「東北臨床宗教師会 青森支部」として活動していくことが決まりました。今後の活動についても色々と企画中ですので、その際はぜひご参加下さいますようお願い申し上げます。